基礎練習の方法概論①(ストレッチ、ロングトーンなど)

    僕は中学生の時から吹奏楽を始め、チューバを6年(中学高校)やってきた後、今ユーフォ3年目(大学生)と言ったところである。大学生になるまでユーフォを吹いたことがなかった訳では無いが、遊びで吹いていただけなので、本格的にユーフォパートになったのは大学生からだ。周りには、ブランクがあるとはいえ多くの人が今まで数年の経験を積んだ楽器を演奏する中、僕は興味本位だけで(演奏の原理は一緒であれ)新たな楽器に挑戦していたのだ。

    当然最初は上手く吹けない。音のコントロールどころか、高校までのように鳴らしたいと思った音ですら鳴らせない、というような状況だ。ここまでは当たり前の話である。問題はそこからで、そこからどんな練習をしたらよいかという練習のステレオタイプが自分の中にロングトーンくらいしか存在しなかった。当然リップスラータンギング、音階練習など存在は知っていたものの、それをどう行った順序で、つまり自分がどの立ち位置の時にどの練習が効果的か、それを踏まえて今どんな練習をすべきか、それが全然わからなかった。

    今でこそある程度はユーフォをコントロールできるようになったが当時はとにかくネットを漁ったり先輩に聞きまくったりと情報取得に忙しかった気がする。それを繰り返すうちに、高校まで練習を適当にやっていたこと、基礎練習がいろんな効果を持つことを知った。ここに残すのは、そういった大学生になって改めて楽器初心者の視点に自ら立つことで分かった基礎練の効果と自分が上手くなった秘訣(?)である。

1.ストレッチはいい音色作り最重要ポイント

    高校生までは、とにかく楽器を吹くためにすぐマウスピースを持ちすぐ楽器の練習に励んだ。当時は誰からも音色についての指摘がほぼなく、意識することは息の量(すなわち音量)とそれを維持する力だけだった。ユーフォニアムの音色に惚れ込んでやってみたが、その音色を作るためにどうしたらいいかがわからず困った。

    色々試した結果、まずは楽器を吹く前に体のストレッチをして、力んだ体を解してあげることが必須だと分かった。音色を良くする過程でバジルさんのブログをもの凄く参考にして、色々試しながら練習していた。このストレッチもとある記事に出会って始めたもので、後にこの前行った北海道ユーフォニアムチューバ協会主催のミュージックキャンプで露木 薫氏もこの体の柔軟性が重要であると言っていたこともあり、楽器を吹かない日でもやるようになった。

    具体的な方法としては、①顔のマッサージ②肩や首をゆっくり回しながら深呼吸③体全体をさする(血行を良くして柔軟性アップ)④ブレストレーニング、と言ったところだ。ブレストレーニングに関してはストレッチじゃない意味合いもあるが、腹筋が硬すぎると上手いこと腹式呼吸の際にお腹が動いてくれないので腹式呼吸の方はやるといいと思う(腹式呼吸でなくともやろう)。

2.低音のロングトーン

    これは、高校生のうちから頭ではわかっていたことだ。大学が始まってから、最初のうちは基本これしかしてない。チューニングのB♭すらしっかり鳴るかが少し怪しかったが、音域を広げる練習とともに低音のロングトーンをしていた。

    これをやることの意味は、金管楽器において低音をいい音色でしっかり鳴らせるということが1番の土台となるからである。低音は唇を高音ほど緊張させる必要がなくコントロールしやすく、その分息をしっかり入れないと芯のある音がならない。高音より音のツボが見つかりやすいという点で、チューニングのB♭のロングトーンよりも練習効果のあるものだと言える。

    具体的な練習方法は複数あり、

  1. テンポ80(またはそれ以下)で下のB♭8拍伸ばす→2拍休む→半音下げて同じことをする→限界まで繰り返す
  2. テンポ80でB♭2拍→A2拍→B♭4拍→2拍休む→さっきAだった所を半音下げて繰り返す(次はB♭2拍→A♭2拍→B♭4拍→2拍休む、となる)。この練習は、音のインターヴァルをとる練習にもなるのでオススメ。
  3. 1.でやった事を最初4拍でpからfに、最後4拍でfからpにしてダイナミクスをつける。
  4. 音はどれでも良い。テンポ60で20拍以上伸ばす(意識することは、音がまっすぐか、ないし息がまっすぐか)

    これらの練習はどの音域でやっても効果があるが、音色への強いこだわりがある人は特に低音を重点的にやっていただければ良いと思う。なお、マウスピースでのバズィングに関しては次回以降のどこかで紹介することにする。

    とにかく、ロングトーンの練習方法は無限にあるので、人それぞれ色々な練習をした方が良いと思う。ただ、音色を極めるためには避けては通れない、最高効率の練習だと思うので、ぜひ色々やって見て欲しい。

今回のまとめ

    今回は最初の最初ということで、練習の最初にやるであろうストレッチとロングトーンに焦点を絞って説明を行った。まとめとしては、

  • ストレッチは体をリラックスした状態にするためにとても有効である。
  • ロングトーンは低音中心にやって音色の核を、芯を作る。

    という感じだ。次回は、インターバル練習や音階、リップスラーについて解説していこう。

 

次回はいつになるかは置いておく。。。