情報系大学生を名乗るには ~ディジタル・デバイドの荒波

    僕は今、情報系の学科に所属する大学生である。それは紛れもない事実であるが、実のところ僕はそれを自信を持って語れるか、という質問には易々とYesとは言えない気がしてこんな記事を書いている。

    僕らの学科は、基本的には数学、物理、プログラミング(主にC言語)を基礎から学び、それをどう使った技術と向かい合っていくか(今ある技術はどういう数学で書かれ、どういう物理が動かしているか)を学ぶ。その知識を持ってして我々は研究者となるはずである。

    しかし、実際の大学生は必ずしもそんな正統派な道を歩いちゃあいない。普段は遊んで、課題は出して、過去問を入手してテスト対策をする。それだけで良い成績自体は貰える。講義出席者の1割くらいしか授業の根本を理解してないのだきっと。しかもそれを教授側もだいたいわかっているから、「どうせ1年生の内容なんて少ししか覚えてませんよね?」みたいなことを平気で授業中に言うから面白い。

    日本の大学生は識字率は高いくせに、いざ就職した時の生産性が低いことが世界レベルで話題になっている。確かに日本人の多くは自分の名前を漢字で書けるし、足し算引き算くらいならできる(九九は少し怪しいが)。実は外国に目を向ければ、自分の名前のスペルがわからない、ということが思ったよりあるらしい。

    少し話はそれたが、それと似たようなことが同じ学科内で起きている。出来るやつはできるし、出来ない奴は出来ない。それは単に情報探索が少ないのでは無く、鍛錬不足の問題だ。少なくとも情報系(数学系も然り)は、真理値だとか回路図だとか数式だとかC言語だとか、とにかく多言語を一遍に習わされているような感覚になる。覚えることが多いのもそうだし、そのうえで数学的取扱い、物理的説明ができなければおいてけぼりになる世界だ。

    それを僕は先程言った「自分の名前を書けない外国人」と同値だとしているのだ。

    やりたいことが僕自身に沢山あって蔑ろになっていた部分があった。あと半年後には所属する研究室も決定する。もっとその名に恥じないエンジニアを目指したいと思っている。

    なんというか、就職はしたいが、その会社でずっと働こうとは思っていない(たとえ最高の職場だ!と思っても)。細かい夢や希望は特に決まってないが、少なくとも寿命か過労で死ねればそれで満足だ。

    そのためにも情報収集は忘れず、自分を高めていかなくてはならない。デジタルデバイドの荒波から脱出するための努力をしなければならない。もちろん情報系だからってその道の上を歩かなければならない訳ではないし、僕自身も道草をかなり食っている。ただ僕もこの状況(情報を学ぶということ)が就職に微有利であることには変わらないし、働いて初めてわかることもある。大学院も就職もどちらも経験した上でこの先を決めて行ければこれほど幸せなことは無い。

 

......こんなに真面目で大丈夫か?