「吹奏楽の旅」で感じる吹奏楽の熱さ

    先日たまたま吹奏楽の旅が(勝手に)YouTubeにあがっていて、少々内容が気になったので見ていた。そこには学生ならよく感じるジレンマを表向きにしたような感触があった上に、レッドオーシャン独特の勝負の厳しさを感じた。

    ある高校生は、とりあえず「はい!」と返事して顧問に本当にわかってんのかと怒鳴られたり、ある人は自分が音楽に入りきれてないことを悔しくて涙を流していたり、またある人は「後輩に色々教えないと」という思いとそれでいて実際に教える時に感情的になる、とのジレンマを抱えながら、全国大会を目指しているのだ。

    見てる人を感動させるくらいの「勝負の世界観」があるし、実際勝負をしている。コンクールのメンバー規定には逆らえないので、55人のメンバーに入ろうとみんなが上を目指していく。お互いに切磋琢磨しながら。それもまたジレンマ。

    演奏技術もそうなのだが、そういうことを繰り返して勝負強い人間が作られていくのか、ということを強く感じる。ライバルが居るし、自分の音を他人に聴かせる機会も多い。

    僕はそういう情熱的な顧問の元で全員が一丸となってガチガチにやっていくのは苦手なタイプだ(と思う)。東海大札幌とか札幌日大に入っていたら人生が180度変わっていたはずだ。

    こういうことを考えれば「吹奏楽」という題材が漫画化され、書籍化され、アニメ化され、ドラマ化され、映画化される理由がわかると思う。そういう、結末が非情な時もある物語なのだ。と改めて感じた。

    ああいう情熱に満ち溢れた姿を見ると、老い初めて来た自分の体に少しながらエネルギーを与えてくれる。吹奏楽を同じくやっている身として、なにか感じざるを得ないのもそうだし、若さというものの偉大さ、フレッシュさをまた感じる。

    これが、真に人の心を動かす音楽の作り方なのかと。真摯に感じたことを書いた迄だ。

    さあ、うちの団もそろそろ吹奏楽コンクールの課題曲、自由曲が決まる頃。今までとは別ベクトルの熱を働かせながら気を改めて頑張っていこうか。